3-3第3節「顧客満足度を上げる空間利用」
 
お客様の顧客満足度を高める事は、お客様のサービス継続率を高める事に繋がります。
 
それではお客様の顧客満足度を高める為に、トレーナーは何が出来るでしょうか?
 
第1節の「レッスン構成」でもお話しましたが、パーソナルトレーニングサービスにおいて、トレーニング環境の優劣はサービスの費用対効果に大きく影響します。
 
その中でもトレーナーが空間を利用できているか否かはトレーナーの営業努力で操作できる部分ですから、積極的に高めていくべきです。
 
ジムのパーソナルトレーナーであれば、お客様が扱う空間や器具に対して、段取り、清掃、温度、明るさ、音の大きさ、床の滑り具合など、レッスンのクオリティを上げる為にチェックできる事は沢山あります。
 
パーソナルスタジオの場合はこのクオリティが顕著に表れます。お客様にとって、自分しか使わないはずのトレーニングスペースが汚れていれば、それはトレーナーが準備をしていない事と判断されます。高額のレッスン料金を払い、適当に扱われたのでは、顧客満足度は下がって然りです。
 
さらに出張トレーニングの場合も、顧客満足度と空間の関係は密接です。
 
出張トレーナーの最大の特徴は「お客様へ特別な体験」を提供できる事です。ジムでもスタジオではできない特別な体験をご用意できなければ、ジムやスタジオのトレーナーと差別化ができません。
 
その意味で、出張トレーナーは空間を企画する力や、それを整え感動に発展させられるような「トレーニング体験プロデューサー」のような能力が必要です。
 
例えば、桜の季節に公園でトレーニングを企画するとします。
 
その際は、風が強い場合、雨が降ってしまった場合、人が多かった場合など、いくつかのパターンを想定して、どんな状況でもお客様に「ああ、こんな気持ちの良い体験はした事がない。身体を動かすって素晴らしい。生きているって素晴らしい。」と思って頂ける準備が必要です。
 
レッスンの一本一本に愛を持って、お客様に接すれば、顧客満足度は上がり、仕事は増え、トレーニングのプライスも上がっていきます。
 
反対にレッスンのプライスを安価に設定して、顧客満足度を考えず、作業のようにレッスンをこなせば、レッスンのプライスは上がりません。
 
トレーナーとして、クオリティとプライドの高い仕事をする為に空間を考える事はとても大切な事と思います。